existences

3つの装置が微小生物のように互いに呼応し、音響と視覚パターンを形成するインスタレーション。
An Installation with Multi-agent system inspired by microscopic model.

本作品では、3つの装置が鑑賞者を囲むように配置されている。

この装置は生命のメタファーとして制作され、それぞれがサーマルプリンタとソレノイドを用 いた振動子という単純な部品から構成されている。この装置が行うのは、規定行の印刷とソレノイドの振動といった動作のみである。

この3つの単純な装置は、コンピュータ内に構成された独自のシミュレーションモデルと直結 されており、単細胞生物をイメージしたシンプルな捕食・被捕食の関係で結ばれ、互いに反応 を行う。各装置には、それぞれ個性として、反応の敏感さや速度、強靭さなどが個別に設定さ れ、異なった性格を持っている。

その時々の状況によって、ある装置とある装置は密接に関わり、呼応を繰り返す。また時に は、三者が共存可能な均衡状態に至り、反応を長い時間停止する。

これらのインタラクションは時間軸上に点を穿ち、粗密のあるリズム構造を形成する。各装置 はそれを振動子による音響や、熱転写用紙に視覚的なパターンとして定着する。

existence2014

作品には電子音によるサウンドスケープが付与されている。これらは、各装置間のインタラク ションや状況などに応じ、時折空間を満たすように設計されている。ここでは、その瞬間瞬間 の装置の反応に応じた断片的なノイズに加え、より長い時間軸で、時間毎、一日毎といった尺 度で音による大きな変化が訪れる。それは、装置間の反応速度やプリンタによる印字のパター ンの変化などを伴い、カタストロフィをもたらす。

作品内の「系」で起こる変化の時間尺度は、秒単位~時間や日といった大きな幅となり、鑑賞 者がすべてを体験し、把握することは難しい。また、装置を駆動させている3つの存在も目には見ることはできない。しかし、紙に残る痕跡、そして時折訪れる音の景色から鑑賞者が感じ、垣間見ることは可能である。

>>DESCRIPTION(original)

“Colored Noise” at Out of Space, Tokyo
Yuta Uozumi (Sonir) / TAKCOM / Sho Yoshihama
As part of the associated program of Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions, the work of 3 artists comes together in merge and collision forming “Colored Noise”.

at Out of Space, Tokyo
07 FEB – 09 MAR, 2014